ロゴデザインでは通常モノクロのバージョンとカラーのバージョンを制作しますが、カラーの方で選ぶ色に注意が必要なものがあります。
「オレンジ(朱色)」と「黄緑」がそうです。 ではなぜ、この2色が要注意なのか・・・。
RGBとCMYKの違いが生み出す色の差
それは、インターネットやテレビなど画面で見る場合と、紙の上に印刷した場合の色に大きな差が生じるからです。
基本的に画面で見る色は、すべて「RGB」で表示されます。
ところが紙の上に印刷する場合は、「特色」か「CMYK」で表されます。
特色の場合は特に注意する必要はありませんが、いわゆるカラー印刷では「CMYK」という4色のインクの混ぜあわせで表現するためどうしても「濁り」が生じていまい、鮮やかな発色が得られません。(減算混合)
ところが「RGB」では3色の「光の色」で混色するため、混ぜれば混ぜるほど色が明るくなり、発色が良くなります。(加算混合)
「オレンジ(朱色)」と「黄緑」
この2つの混色概念の違いが最も顕著に表れるのが「オレンジ(朱色)」と「黄緑」なのです。
オレンジ色や黄緑を主体にロゴデザインを作ると、インターネットのホームページなどで見たときの印象と、封筒やパンフレットなど印刷物で見た印象に大きく差が出てしまう可能性が高いです。
ロゴデザインというものは、ブランディングの最もベースに位置するモノですから、デバイスによって違う色に見えてしまったりすると、人に統一したイメージを持たせることができません。
小さなポイントとして使用するくらいなら問題ありませんが、ロゴの大きな部分をこの2色で占めるようなデザインはできるだけさけた方が無難です。特に黄緑はどの影響が出やすいので注意が必要です。
コンセプト上どうしても使いたいときはYを100に
何を隠そう弊社のロゴデザインはオレンジ一色です。これまでの説明と矛盾していますが、これには私なりの強い思いがありますので、どうしてもオレンジ(朱色)を使いたかったためです。
このようにさまざまな理由によって「黄緑」と「オレンジ(朱色)」を使いたい場合が出てきますが、そういうときは1つ守るべき点があります。それは「Yを100に」することです。インクのなかでY100%は飛び抜けて彩度が高いため、その上にMやCを少量のせても、なんとか鮮やかさを保ってくれるからです。
少し明るくしたいからといってYを80や70まで落とすと、一気に彩度が落ちてしまいますので、鮮やかさのためにはY100は譲れません。
この2色に限らずロゴデザインの色には必ず理由が必要ですが、特に「オレンジ(朱色)」と「黄緑」の場合は、その2色を選ぶ強い意味が必要になるということを忘れてはなりません。